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TV報道などで西暦2000年に西太平洋地区でのポリオ根絶宣言が出されたとの報道がありました。 上記宣言から考えると、非常にわずかな確率であると言えども危険性のある予防接種を受けることが得策か判断しかねています。
わが国では1980年を最後に野生株ポリオウイルスによる麻痺患者の発生はなくなり、2000年には世界保健機関(WHO)は日本を含む西太平洋地域のポリオ根絶を宣言しました。この「根絶宣言」というのは「野生株ポリオウイルスによる患者が3年間以上出ていない」ことであって、生ワクチンの副反応による麻痺患者は対象にされません。すでにポリオ根絶に成功した先進諸国では生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンの使用へ移行しつつあります。しかしながら、防御効果が優れ、安価な生ポリオワクチンは日本を含め、未だに世界各国で使用されています。このような状況でワクチン接種をしなかった場合、ポリオ発生国での野生株ウイルスやワクチン由来の変異ウイルスにより感染して麻痺を起こす危険があります。
したがって、野生株ウイルスやワクチン由来の変異ウイルスが存在するかぎり、現在の生ポリオワクチン接種をお勧めします。ただ一人だけワクチンを接種しない場合は、ワクチンを接種した者からの接触感染の危険性が高くなると考えられます。
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先日、ポリオの予防接種を受けたのですが、その後妊娠していることがわかりました。 何か胎児への影響があるのではないかと不安です。
結論から先に申しますと、心配ございませんのでご安心ください。経口生ポリオワクチンの接種を受けたことにより、ポリオウイルスが胎児に影響を及ぼしたという報告はありません。 また、フィンランドでポリオの大流行が起きた際、妊婦を含む成人の94%に経口生ポリオワクチンが接種されましたが、母胎への影響はなく、生まれた子どもの奇形率も変化がなかったという報告があります。
(ただし、わが国では全妊娠期間を通じて生ワクチンの接種は行っておりません。)
昭和52年生まれなのですが、ポリオの追加接種をどこで受けたらいいのかわかりません。 また、料金はいくらぐらいかかるのでしょうか。
成人への経口生ポリオワクチン接種が可能な医療機関については、各市区町村あるいは管轄の保健所の予防接種担当部署に問い合わせるとよいでしょう。
接種を受ける際は、まず最初に、子どもの頃に経口生ポリオワクチンを受けた回数について、母子手帳等で確認してください。
1回、もしくは2回接種を受けていれば追加接種は1回で良いですし、1回も受けていなければ2回接種が必要となります。その際、1回目と2回目の接種間隔は41日以上あけてください。ただし、免疫不全者または免疫抑制剤を使用している場合、またはそのような同居者がいる場合にはワクチン接種を受けることができません。
また、同居者にワクチン未接種者がいる場合には、その旨を接種担当医師に申し出て、一緒にワクチンを接種したほうがよいかどうかを確認してください。
料金についてですが、成人へのポリオワクチン接種は任意接種なので、一般に有料です。詳しい料金等については各市区町村の予防接種担当部署または接種をしてくれる医療機関にお問い合わせください。
先日、子どもがポリオワクチンの接種を受けました。副反応が心配です。どのような症状が考えられますか?
副反応とは予防接種に伴って起こる身体的な反応をいいます。
ポリオワクチンの副反応には次の2種類があります。
1.ワクチンの成分による特異的反応
これは接種直後から3日目位までに現れる症状です。主に白糖による下痢、ゼラチンによる発疹、ストレプトマイシン硫酸塩によるショック症状等が挙げられますが、全て否定的です。
2.ポリオワクチンによる副反応
副反応としては発熱・咽頭痛・食欲不振等の風邪様症状が起きる場合もありますが、通常は無自覚症状で経過します。
また、マヒの出るケースは極めてまれで、接種後4日目〜30日目(平均2週間目)位の間にこれらの風邪様症状、特に発熱の後に出ます(被接種者から麻痺患者が出た割合は約486万回接種あたり1人)。マヒは、手足に力の入らない弛緩性のものです。
心配な症状が出た場合には主治医に相談して下さい。
子どもが、ポリオの予防接種を受けてから便がゆるくなったのですが、ポリオと何か関係があるのでしょうか?
便の状態や色は食物との関連であり、ワクチンとは関係ないと考えられます。
ポリオの接種後に下痢を起こしました。 免疫がちゃんとついているのか心配です。
経口生ポリオワクチンを接種すると、喉と腸でウイルスが増殖し、3日目位から約1か月半の間、便にウイルスが排泄されます。
接種後2日目までの激しい下痢は、ウイルスの増殖が充分でないため、抗体が得られにくいので、下痢を治療してからワクチンの再接種を行うことをお勧めします。
昭和50〜52年生まれの人にはポリオの免疫がついていないことが多く、その場合は子どもと一緒に接種すべきと保健所で勧められたことがありますが、どういうことなのでしょうか。 「免疫がついていない」ことが理由だとしたら、それは何故ですか? また、確実にポリオを2回接種していることがわかれば、追加接種の必要はありませんか?
厚生省(現厚生労働省)の調査で、昭和50年〜52年生まれの方の特に1型と3型の抗体保有率が低いことがわかりました。
「抗体を持っていない親は、子どもが経口生ポリオワクチンを接種した場合、その涎や便から排泄されるポリオウイルスの変異株(体内で増殖を繰り返すことにより、神経毒力が強くなったもの)により感染・発症する危険性がある」ため、厚生省(現厚生労働省)は平成8年頃から経口生ポリオワクチンの追加接種を奨励していますが、低抗体保有率の原因は不明としています。
予防接種リサーチセンターが調べた接種率を見ますと、昭和49年から51年にかけて三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)を接種した子どもが百日咳ワクチンで発症し、死亡するという事故が起きた結果、医師会の全ワクチンの接種ボイコット騒ぎや、一般の方々の「ワクチンは危険」との懸念から、接種率が低くなっています(接種率は80%以下になると集団防衛の効果が悪くなると言われています)。
ポリオワクチンには1・2・3各型弱毒ウイルス(神経毒力の弱いワクチン株)が含まれています。ウイルスは喉と腸で増殖し、唾液と便に排泄されます。
1回目の接種では増殖力の強い2型ウイルスが増殖します。そのため1・3型の増殖は抑制されます(干渉作用という)。6週間以上の間隔をあけて2回目の接種をしますと、2型に対する抗体(=免疫・抵抗力)ができているので2型は増殖せず1・3両方の型のウイルスが増殖するのですが、やはり干渉作用のため片方のウイルスしか増殖しないこともあります。従って外国では3回以上の接種を義務付けていますし、自衛隊や国際協力隊等のポリオ流行地への派遣には追加接種を行っています。
接種率が高い場合には、集団生活での接触(例えば保育園等での遊びを通じて唾液や便に触れる)により、自分の持っていない型のウイルスに感染(発症ではない)、ウイルスが増殖し抗体が得られます。しかし、昭和50年〜52年生まれの人は全体的な接種率が低く、2回接種でも不十分なのに1回接種または未接種の方が多く、従って接触感染の機会も少なかったことにより抗体の保有率が低くなったものと考えられます。
2回接種をされている場合には、恐らく大丈夫だとは思われますが、以上の理由により3つの型の抗体が不十分な場合も想定されますので、念のため追加接種を受けることをお勧めします。
来月、子どもがポリオの予防接種を受けるのですが、私自身は1回しか接種を受けていません。 接種後、便にウイルスが出るということですが、大丈夫でしょうか?
ポリオワクチンを接種しますと、喉と腸でウイルスが増殖し、人によって異なりますが、便から約1か月半の間、唾液からは約1〜2週間の間にウイルスが排泄されます。従って、小児が接種した場合、必ず周囲にウイルスを撒き散らすものと考えた方が良いと思います。
すでに1回接種していますので「接触感染による発症(接触者から麻痺患者が出た割合は約789万回接種当たり1人)」の危険性は少ないものと考えられますが、お子さんと同時期か少し前にワクチンの追加接種を受けることをお勧めします。
なお、手や遊び道具についたウイルスがその場で増殖することはありませんので、洗い流したり拭き取れば良いと思います。消毒は特に必要ないかと思いますが、心配なようでしたら煮沸や塩素系漂白剤(酸性のものと混ぜないこと)による消毒を行ってください。また、オムツは紙オムツが便利です。
予防接種後、しばらくの間は唾液からもウイルスが排泄されるそうですが、もしおもちゃなどに唾液がついた場合、どのくらいの間、菌は生きているのでしょうか。 また、それらを消毒するにはどうしたら良いですか。
ウイルスは細菌やカビと異なり、そのウイルスに感受性のある細胞に侵入して増殖します。従って、衣類・皮膚・器物(食器や玩具・家具等を含む)に付着したウイルスが増殖することはありません。
生存期間は、付着したウイルス量が少なく、室温が高く、乾燥している程短くなります。おもちゃについたウイルスがその場で増殖することはありませんので、洗い流したり拭き取れば良いと思います。(消毒は特に必要ないかと思います。)
ポリオの予防接種後、しばらくの間は便や唾液からウイルスが排泄されると聞きました。 予防接種を受けた子どもと一緒にお風呂に入っても大丈夫でしょうか。
ポリオウイルスは高温・塩素・紫外線・ホルマリンなどで短時間に感染力を失ってしまいます。
一般に40℃以上の風呂の湯やプールなどで感染しないのは、ウイルスの量に比べて水が大量であること、水道水に含まれる塩素による殺菌効果であると考えられます。
したがって、ポリオの予防接種を受けた子供と一緒にお風呂に入っても何ら問題ありません。
本日1回目のポリオワクチンの接種を受けた子どもの歯茎に傷があるのに気付きました。指しゃぶりの際に爪で傷付けてしまったのか、少し出血しているのですが、本日受けたワクチンの影響が心配です。
「予防接種に関するQ & A集2008」(細菌製剤協会)によると、「ポリオの弱毒ウイルスが口腔内の粘膜の傷口から入る可能性は考えにくい」とされています。また、ワクチンを接種して口腔内の傷からウイルスが入り込み、麻痺が起きたという報告もありません。したがって、心配いりませんのでご安心ください。
ポリオの予防接種を受けたのですが、その際、周りに咳をしている人が多かったので、帰宅後にうがいをしてしまいました。ワクチンの効果がなくならないか心配です。
経口生ポリオワクチンは接種後30分あれば喉や腸の表面に吸着されると考えられています。
接種後、時間が経ってからのうがいであれば問題はないと思われますが、接種後、早い時間のうがいは好ましくありません。
子どもが風邪気味だったことに気付かず、ポリオワクチンを接種してしまいました。現在微熱があり、とても心配しています。 体調が万全でないのに接種を受けた場合はどうなるのでしょうか。
接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)の項目に「明らかな発熱を呈している者」とあり、発熱とは小児の場合37.5℃以上の場合をさします。
少し熱がある程度でも、食欲があり、機嫌が良ければワクチンの接種は問題ないと思われます。
風邪に対する治療が必要な場合、診察の際に念のため、ポリオワクチンを接種していることを告げてください。お薬についてですが、風邪薬や解熱剤、抗生物質は問題ありませんが、免疫抑制作用のある薬剤は使用しないで下さい。
持病により、数種類の薬を服用していますが、ポリオワクチンと併用してはいけない薬はありますか?
ステロイド剤や免疫抑制剤の服用をしている場合はポリオワクチンを接種をすることができません。また、免疫不全症の場合や、その治療を受けている場合にはワクチンの接種は厳禁ですし、接触感染によるマヒが起きる可能性が高いので家族の接種にも十分な注意が必要です。
時期等の注意も必要ですので、接種の際には主治医の先生にご相談下さい。
これは免疫機能抑制下でポリオワクチンを接種したり、接種者から感染したりすると、ワクチンウイルスの感染を増強させたり、持続させたりする可能性があるためです。
その他の抗生物質等は問題ありません。
子どもが、ポリオを経口投与して10〜15分後に嘔吐しました。 数時間前に食べた物を手のひら分位吐いてしまったのですが、再度投与した方がいいのでしょうか? また、吐いても効果はありますか?
通常、接種後30分以内に500円玉程度の大きさ以上吐いてしまった場合には接種されなかったものと判断して再接種を行います。接種担当医が見ていなかったら事情を説明して再接種を受けてください。